日本保守党、波乱の軌跡:結党から続く「舌禍」と世論の激震
小説家・百田尚樹氏とジャーナリスト・有本香氏によって2023年10月に結党された日本保守党は、「日本の国体、伝統文化を守る」という理念を掲げ、既存の保守政党への不満を抱く層から熱狂的な支持を集めてきた。しかし、その活動は常に物議を醸し、特に代表の百田氏による度重なる「舌禍」は、世論に大きな波紋を広げている。保守層の受け皿となるべく登場した新党は、果たして日本政治に真の変革をもたらすのか、それとも炎上の渦中でその存在感を消費してしまうのか、その動向に注目が集まる。
結党の背景と理念
日本保守党の設立は、2023年に岸田政権下で成立した「LGBT理解増進法」への強い反発が最大の契機となった。百田代表は、この法律が「日本の伝統や国体、皇室制度の根幹を揺るがすおぞましい未来」をもたらすと警鐘を鳴らし、「保守層に投票先がなくなった」という危機感から新党の設立を決意したとされる。
同党は「右派ポピュリズム、復古主義、新保守主義、反LGBT、超国家主義、憲法改正、同化主義、排外主義、歴史修正主義」といった政治的立場を標榜しており、「日本の国体、伝統文化を守る」ことを最重要政策に掲げている。
注目される政策と主張
日本保守党の重点政策項目は多岐にわたるが、特に以下の点が注目される。
- 日本の国体、伝統文化の擁護:皇室典範の改正による旧宮家との養子縁組を可能にすること、宗教法人の買収規制強化、LGBT理解増進法の改正(特に児童への教育に関する条文削除)などを主張している。
- 減税による経済活性化:食料品(酒類含む)の消費税率を恒久的にゼロ%にすることや所得税の減税などを訴えている。
- 安全保障の強化:憲法9条改正(2項削除、自衛のための実力組織保持明記)、自衛隊法改正、スパイ防止法の制定などを掲げる。
- 移民政策の是正:入管難民法の改正と運用の厳正化、特定技能2号の家族帯同の大幅制限、外国人の健康保険・年金を別立てにするための法改正などを主張している。
また、同党は指導者らが第二次世界大戦中の日本の戦争犯罪、例えば南京大虐殺などを否定する「歴史修正主義」的な見解を示している点も、国際社会や一部の層から批判を浴びている。
選挙戦での動向と影響
日本保守党は2023年9月の設立後、わずか1ヶ月で党員数が約3万人に達し、X(旧Twitter)のフォロワー数は33万人を超えるなど、インターネット上で急速に支持を拡大した。2023年10月には初の政治資金パーティーを開催し、約4億円の資金を集めたとされている。
2024年10月27日に実施された第50回衆議院議員総選挙では全国規模で初めて候補者を擁立し、政党要件を満たし、同年11月5日には国政政党となった。しかし、2026年2月8日投開票の第51回衆議院議員総選挙では、議席を獲得するには至らなかった。
相次ぐ「舌禍」と世論の波紋
日本保守党は、その発言の過激さゆえに多くの議論を巻き起こしてきた。
代表である百田尚樹氏は、2024年11月にはYouTube番組内で少子化対策に関して「女性は18歳から大学に行かせない」「30(歳)超えたら子宮摘出する」といった発言を行い、大きな批判を浴びた。百田氏は後に「SFである」「例え話」と釈明し謝罪したが、その真意を巡り物議を醸した。
さらに、2026年3月には沖縄・辺野古沖で発生した船舶転覆事故で修学旅行中の女子生徒が死亡した件について、百田氏がYouTube番組で「自分の意思で乗ったんでしょ」「犠牲者は気の毒ですよ。けど自分の意思で乗ったんでしょ。騙されて乗ったわけではなくて、巻き込まれたわけじゃない」と発言。この「自己責任論」とも取れる発言は瞬く間にX上で拡散され、元大阪府知事の橋下徹氏が「日本にとって害悪以外の何ものでもない」と酷評するなど、激しい批判が殺到した。この事故では、日本保守党代表代行の有本香氏も、市民団体が死亡した女子生徒の乗船を「辺野古の無謀な工事は辞めてくれという思いで来てくれたと思う」と発言したことに対し、「不謹慎にもほどがある」と指摘し、「政治利用した」との持論を展開している。
また、かつて特別友党関係を結んでいた名古屋市の地域政党「減税日本」との関係解消を巡る混乱や、党執行部による元メンバーに対する名誉毀損訴訟が「言論弾圧」ではないかとの批判も浮上するなど、結党以来、常に論争の中心にあり続けている。
SNSの反応
日本保守党の活動や百田代表の発言に対して、SNS上では賛否両論、様々な意見が飛び交っている。
- 「先の衆院選で日本保守党を助けてくれた 日本自由党の浜田聡 京都府で勝負をかけています。 全力応援、大拡散お願いいたします。youtube.com/@nb1_oz?si=8Nb…#浜田聡#あの時のツルですpic.x.com/e66mB5MbBo」
- 「辺野古の活動家共が修学旅行中の女子高生を死なせた事件で、日本保守党代表の百田尚樹氏の発言が批判されているようだが、また随分と的外れな方向に世論が誘導されているなという違和感を禁じ得ない。 子供たちには、「死んだら反論できないのだから何としても生きる」という決意を固めてもらいたい。」
- 「「国民の意思」 便利すぎる言葉だな 問題起きたら国民の意思 選挙負けても国民の意思 支持伸びなくても国民の意思 で、都合いい時だけ「本物の保守」とか言うんだろ 都合悪くなったら「偏向報道」 最後は「国民の意思」 お前の責任どこ行った? 失せろハゲ#百田尚樹#有本香#日本保守党pic.x.com/Xgsxz9di5b」